• 2020.10.30
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「山の会たより」79

令和2年10月21日(水) 大分県 大船山(1786m)

○ 今回は紅葉シーズンによく出かける「大船山」を計画した。天気が午後から曇りの予報なので、早めの出発とした。05:30甘鉄甘木駐車場に集合して、大分道に向かった。ところが事故のため杷木-日田間が通行止めとのこと。出足をくじかれた・・・、しかたなく日田まで386号線で行き、そのあと高速を使うこととした。
06:50 玖珠SAに着き、昼食を購入した。(いつの間にかコンビニがセブンに代わっていた。その後は九酔渓を経由して、07:37吉部駐車場に着いた。

○ 駐車場には既に10数台が停まっていて、その後に3台ぐらいがやってきた。準備をして07:54 登山口に向かった。今回も鳴子川にかかる橋の先から登って行こうと進んで行った。途中で熊本から来たという夫婦の登山者が暮雨の登山口から下りてきて、”どこから登ればいいのか”と尋ねられ、同行することになった。
橋の先の登山口に行ってみると「伐採中」で通行止めでテープが張られている。ここでもしかたなく引き返し、川沿いの登山道から登ることになった。

 
○ 川沿いの登山道は豪雨のせいか、途中から新しく迂回することになっていた。川には沢山の流木が氾濫しているのが見えている。川音で気持ちが穏やかになってくる。紅葉には幾分か色づいてきているが少し早いようだ。緩やかな起伏からやや急登となってきた。
最初予定した登山口からの山道と合流した。こちら側からもテープが張られている。大船林道との合流手前は色づき始めた木々が紅葉になるのを待っているかのような景色となっている。

 

○ 8:56 大船林道との合流である。しばらく平坦な林道を進んで行く。女性の2人連れが前を歩いている。我々よりも足早である。林道を落ち葉が覆って雰囲気を感じる。平治岳北登山口の分岐を過ぎて、鳴子橋に着いた。三俣山が見え始める場所である。上流側、下流側のどちらもシャッターポイントであるが、すこし紅葉には早い。09:22 暮雨分岐に到着、もう少しで「坊がつる」である。三俣山や平治岳の上部が色づいている。御池の紅葉に期待が高まる。

 

 
○ 一面のススキが見えてきた。「坊がつる」である。快晴の中、周りの山々もはっきりと見えて、ここは下界を忘れ別世界を感じる。9:55 「坊がつる」に着いた。いくつかのパーティーが休んでおり、何張りかのテントが付近に設置されている。少しの休憩の後、10:07 大船山登山口から本格的な登山となった。思ったより緩やかな登山道が続いている。豪雨の被害はあまりなさそうである。そして見上げると楓が紅葉して綺麗である。

 

 
 11:03 約1時間で5合目に着いた。見晴らしの良さそうな開けた所で振り返ると、平行な視線で山々が位置している。周りも綺麗に色づいている。ここから先はガラ場が始まるとのことである。この辺りから、下山する人たちが増えてきた。様子を聞くと御池の紅葉は素晴らしいが、ガスが出てきているとのことであった。何人も先に行かせながら石ころの山道を進む。後ろからテレビカメラを持った3人組が来た。聞けば大分朝日放送のクルーで、御池の紅葉を撮影するとのこと。、小型カメラもあるがきれいに撮るために、大型のカメラを持って来ているとのことであった。しばらく後ろについてきていたが、お先にどうぞと道を譲った。

 
○ 樹木がなくなったところで、 11:54 段原に着いた。先に行ったテレビクルーも休んでいる。山頂を見るとガスがかかり始めて、若干不安!、休憩も取らずそのまま急いで山頂を目指して進んだ。途中からやや急斜になってきた。開けた所で振り返ると「何という素晴らしさ!」段原までの斜面が一面紅葉している。登っているときにはあまり感じなかったが、上から見ると息をのむ!!

 

○ 12:21 山頂に到着した。テレビクルーの人に写真を依頼した。その瞬間、ガスに覆われた。またまた不安!とりあえず御池まで行くことにした。12:29 御池には数組いたが、着座できるスペースはあった。突然ガスが晴れた。一面の紅葉に巡り会えた瞬間で疲れが飛んで行った。それからは御池の彩を鑑賞しながらの昼食となった。しばらくしてテレビクルーも下りて来て、御池を撮影し始めた。重いカメラを持ってきた甲斐があったようだ。様々な角度から撮影していた。
我々もこの光景を何枚も何枚も撮り続けた。

 
○ 我々もコーヒータイムが終わり、余韻に浸っていると、テレビクルーが四角い箱からドローンを取り出し、撮影するとのことである。いきなり”ビューン”と舞い上がって一気に上空へ、上がったり下がったりしながら撮影しているが、きっと素晴らしい景色が撮れているのだろうと想像していた。

 
 12:29 御池を後に上からの御池の紅葉を写そうと再び山頂に向かった。撮ろうとするとガスがかかり、なかなかうまく写せない。根気よく待ってようやく撮れた。


13:24 山頂を後にして段原に下っていった。登りにも感激した斜面の紅葉が再び眼前に広がり、呆然と立ち尽くす。一気に下ると13:45段原に着き、大船山との別れとなった。
ガラ場の下りは気を抜けない。油断するとすぐさま滑ってしまう。登りのときより幾分が色づきが濃くなったような気がするのは・・・
15:02 大船登山口まで下りてきた。ここからは坊がつるを通って、暮雨分岐から滝経由の山道を進んだ。積み重なった落葉が踏むたびにキィキュと鳴る。ここは最後の急斜面下りが大変で、いつも嫌になる。
○ 16:41 吉部の駐車場に戻ってきたら、数台しか残っていない。今日も怪我なく終えたことに感謝である。

※ 大船山はやはり歩行時間が長い。しかしそのことを忘れる「御池の紅葉」である。何度行っても疲れを癒す力がある。紅葉終盤であっても、御池、山頂からの段原までの斜面眺望の色合いは、他の名所も敵わない。来年の期待を奮い立たせる。
高速の通行止め等もあり、当初から計画が少しずれたが、無事に下山できた。山頂までの長い道のりであっても、紅葉しつつある広葉樹林、沢の水音等を愉しみ思った以上の満足感に浸った登山であった。

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