• 2021.3.21
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「山の会たより」84

令和3年3月18日(木) 大分県国東半島 津波戸山(529.4m)

○ 3月山の会は、九州百名山の国東半島「津波戸山」を計画した。これで国東半島の主な山「鋸山(田原山)」、「中山仙境」、「津波戸山」に登ったことになる。
 06:00甘鉄甘木駐車場に集合して、大分道で日田まで行き、耶馬渓、その後中津、国道10号線で宇佐八幡宮を過ぎて、日豊本線西屋敷駅の少し先の向野信号から左折して、津波戸山登山口の案内に従って進むと、08:18登山者専用駐車場があった。

 
○ 08:30 登山準備後、登山口までの舗装された道路を進む、前方には津波戸山の全貌が見えてきた。しばらく歩いて08:47登山口に着いた。
緩やかな登りの山道である。08:57旧海蔵寺跡に着いた。階段の横には弘法大使像が祀られている。沢を渡り登っていくと、09:10東尾根からの分岐である。見上げる急斜面に鎖が張ってある。ここから直進して西岩尾根巡拝のコースとなる。

 

 
○ 一番、二番と書かれた対の石仏が次々に現れてきた。すぐに鎖場となって、本格的な岩場が始まった。七番ぐらいからは鎖の連続である。さらには岩を乗り越えるため左右は深い谷となって、緊張の連続である。右手には東岩尾根が見えているが、険しさが想像できる。
下に見える岩に小さな石橋が架かっている。案内板には「左京の橋」と書かれているが、渡ることを考えるだけで足がすくんでくる。そこにも石仏がおいてある。

 

 

○ 大きな岩を乗り越えながら進んで行く。振り返れば登ってきた岩が見てとれるが、怖くなる。雲一つない快晴の空に津波戸山頂が見えて絶景である。大岩の横を進むと、いきなりのトラバース・・・鎖を信じるしかない!断崖である。慎重にも慎重を重ね、ゆっくりと下った。再び鎖のトラバース、直下への鎖、オーバーハング状態、手に汗とはこのことか!!
連続して鎖での降下、かなり下った気がする。すると又登りの鎖が続いている。いったん下って、次の岩に登っていくような感じである。

 

 

○ 再び次の岩に行くために下り始めると、09:59「針の耳」と書いた案内板が下がっている。岩がくり抜かれたようになって、かなり狭い所を下っていくようだ。鎖を頼りに入っていくが、なかなか足の置く位置がわかりにくい。ギリギリで通過、まさに針の耳である。やっとの思いで下りきったら、又鎖の登りとなった。声が聞こえるので見ると後からきているグループが大岩を迂回している。石仏は三十三番となっている。

 

 

○ 狭い尾根である。腰をかがめながらの進みである。岩の頂からトラバース、鎖場で急斜の下り、下りきったところで、岩尾根を使わない通常登山ルートとの合流した。ようやくゆっくりした休憩となった。西岩尾根巡拝が終わった。
見上げると急斜に長い鎖は張られている。標識には「奥の院へ100m」の矢印がある。ガラ場の100m斜面はキツイ!!

 

11:03 奥の院に着いた。看板には津波戸山水月寺奥ノ院、登山者休憩所となっているが、中をのぞくとキレイとは言えない。またその横には「仁門の硯石水」と書かれて、ちょろちょろと染み出る水で墨をすると字が上手くなると書いてある。
さらに鎖のガラ場を登ると、急に広場に出た。尾根との合流である。気持ち的にかなり楽になって、そのまま山頂を目指した。しかし、ここから山頂までは何回も立ち止まりながらのアップアップ状態である。

 
○ 11:21 津波戸山頂に到着した。周りは樹木に覆われ開けていないので、西展望台に進んだ。11:28 西展望台である。宇佐市方面が開けているが霞んでいる。
早速昼食となった。時間確認の行程表がいつの間にか無くなっている。おそらく後ろポケットからの出し入れしたので、途中で落としたのだろう。”まあ、いいか!後ろのグルーが拾ったかも?”
○ 今回も昼食はカップラーメンとコンビニ弁当である。話題は”想像以上の鎖の連続、ここまでのアップダウンの岩尾根”は初めての経験である。
しばらくすると後続のグループがやってきた。2組の夫婦のようである。帰り際に行程表を出されて”落ちてましたよ”と感謝!! 話して大分と別府からの登山者であることが分かった。

 

 12:08 下山開始である。背に受ける暖かな日差しの中、尾根道を進んで行く。きつかったはずである。結構な傾斜を下っていく。山頂、展望台を過ぎて、ガラ場の山道を下る。時折、割れ石が落石となって転げていく。危ない!!
下りも緊張のためか、汗が出てくる。西岩尾根巡拝との合流を過ぎ、しばらく進むと「大師像」書かれた案内がある。その横には「夫婦岩」「夫婦杉」と案内されている。夫婦岩の間を抜けると大きな「大師像」がこちらを向いて建立されている。石仏は59番となっている。

 

 
○ 後続グループは東岩尾根巡拝はしないで、下るとのことでそのまま谷間を下って行った。少し下ると東岩尾根への登る鎖が長々と張られている。
急な斜面と岩を登ると、いきなり眺望が開けた。東岩尾根に着いた。西岩尾根と同様に凸凹の岩を今度は下る。足が引っかからないように用心深く歩く。西岩尾根から想像した通りの東岩尾根である。石仏も70番を超えてきた。

  
○ 岩の頭を遠くまで順路が続いている。しばらく行くと「お疲れさまでした」の看板、ここから右に折れて急斜面の下り、当然のごとく長く鎖が続いている。注意して降りていくとやはり登りにあった合流点であった。
沢をせき止めて作られた池を過ぎる。堰止められた石積みは立派なものである。旧海蔵寺跡、登山口を過ぎて、13:48 駐車場に無事戻って、本日の津波戸山登山の終了となった。

 

※ 「津波戸山」登山を計画した当初から、当日はもちろん前日が雨の場合も津波戸山は中止しようと思っていたが、近づくにつれだんだん天気が良くなってきて快晴の中での恵まれた登山となった。
しかし、これまでの登山でもこれほどの鎖の連続は経験したことがなかった。併せて気が抜けないこともあり、巡拝中は疲れたという感覚がなかった。
登山口にある案内板には山頂まで70分と記載されていたが、おそらく谷筋を登るコースだろうと思ったものの、両岩尾根巡拝は国東半島の山でも特に面白く記憶に残る登山となった。

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