• 2021.2.27
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「山の会たより」83

令和3年2月24日(水) 熊本県五木村  仰烏帽子山(1,302m)

○ 今回は定例会が雪で延期となり、目的地を時期がぴったりの「福寿草の仰烏帽子山」に変更した。当日の天気は晴れで、7年ぶりの「福寿草」に期待が膨らむ。
06:00 甘鉄甘木駅に集合し、高速で松橋ICで降りて、3号線を宮原まで進み、443号線、25号線で五木村元井谷に行く計画である。玉名PAで昼食購入して九州道を南下する。玉名PAを出るころには夜明けとなってきた。
○ 緑川PA過ぎて松橋ICで降りる予定がうっかりして通過してしまった。結局スマート宇城氷川の表示があったので、慌てて九州道を降りた。3号線に入ると渋滞でなかなか進まない。松橋からであればとんでもなく時間がかかったと思うと、むしろ正解であった。
宮原の交差点から左に折れ443号線、東陽町から25号線で五木に向かう。4回ぐらい通った道なのでループ橋など思い出しながらの行程である。
○ 山道を下りきるとすぐに元井谷への橋が見えてきた。橋を渡り少し行くと、道がいきなり荒れている。事前に情報は得ていたが、凸凹でゆっくり進んで行く必要がある。土砂、岩が一気に崩れ落ちた豪雨の恐ろしさがあちこちで残っている。元井谷第二登山口駐車場の手前ぐらいからはあまり被害はないものの、落石が気にかかる。
 08:48 元井谷第2駐車場に着いた。すでに10台程度が停まっている。初めての登山口であるが、20台ぐらいの舗装された駐車スペースがあり、簡易トイレも整備され、さらには盗掘防止の監視所が設置されている。すぐそばの斜面には電気供給用に太陽光パネルが並んでいるものの、予想以上の眺望である。今日は快晴で雲もない絶好の日よりであるが、遠くは春霞でぼんやりしている。
同じくらいの年代の10名を超すパーティーが準備運動をしている。監視員に聞くと、祝日23日の昨日は。福寿草は最高にいい時期で150人ぐらいの人が来ていたとのこと。駐車が大変だったようで、少し下ったところ辺りにも止めていたとのこと。

 

○ 09:08 我々も準備を終えて出発した。杉林の中を進んで行く、やや傾斜があり、歩き始めですこしきつい。30分くらいで緩やかな下りになると、周りが開けて落葉の木立のなかを歩く。だんだんと石灰岩の塊があちこちに見え始めてきた。するとぽつぽつと黄色い福寿草が咲いている。しかし陽を受けていないのでつぼんだままである。

 

○ 09:43 山頂への標識、群生地への標識案内がある三差路に着いた。今の時間は花がまだ良く開いていないので先に山頂に行き、帰りに群生地に寄ることにして山頂に向かった。
少し行くと山道の両側の斜面に福寿草がつぼんだままであちこちに見え始めてきた。苔むした石灰岩と積もった枯れ葉という独自の地形が生み出す生命である。

 

○ しばらく進むと杉林となり、急に下りが始まった。せっかく登ったのにと思うくらいの急なくだりである。 下りきったところで開け、右側に谷が見えてきた。元井谷第一登山口からの登山道で急斜面を登った記憶を呼び起こされる。
10:10仏谷分岐に着いた。約1時間である。少しの休憩の後、山頂へと向かった。山の斜面を横切るような感じで、緩やかに登っていく。杉の根が露出していて引っかからないように注意して登っていく。(下りは要注意)周りは石灰岩の小規模なカルスト台地風になってきた。10:29 風穴に着いた。耳を穴に寄せると岩の隙間から暖かい風が噴き出ているのが感じられる。

 

○ ようやく尾根である。風や踏みしめる枯れ葉の音も心地良い。しばらくするとやや急な斜面になってきた。ここを登り切れば仰烏帽子山頂である。
馬酔木にすり抜け、10:57 「仰烏帽子山頂」に到着した。1,302mの看板がある。四方開けて見晴らしがよいが、残念ながら「市房山」は遠くに霞んでいる。山頂は狭く、座って昼食ができる場所がないので、兎群石山(とぐんせきやま)まで行って食べることにした。
○ 兎群石山は山頂から少し下って、右に向かい木立の中を進み、さらに下っていくと前面にカルスト台地の「兎群石山」が見えてきた。石灰岩の浸食による造形物である。

 
 11:10 「兎群石山」に着いた。すぐに風が当たらないところを選んで、昼食となった。山頂よりゆったりと食事ができる。分葱のみそ和え、だし巻き卵などの料理も合わせての食事である。12:00 食事を終え下山となった。元来た道を進んで行くが、ザックがかなり軽くなった。何人かの登山者とすれ違う。先に福寿草の群生地を見てから山頂に向かっているのかなどと思ってしまう。

 

○ 12:45 再び仏石分岐に着いた。ここからは仏石から福寿草群生地に向かった。横手に仏石を見ながらロープ、鎖が張られた急斜面を広場まで降りていくと、たくさんの人が「福寿草」に見入っている。あちこちに光沢のある黄色い花が咲いている。久しぶりに見る福寿草の群生である。あちこちでカメラで撮影している。少しずつ登りながら進んで行く。群生が途切れてもその先に多くの群生があることはわかっていたので、急斜面を登っていった。

 

 

○ 登りきると、そこからが本当の群生地となった。山肌のあちこちに咲き誇っている。カメラで撮りまくった。陽を受けた福寿草は神秘な感じさえする。”あった!雪に囲まれた福寿草”まさに冬の華である。
ゆっくりと鑑賞しながらの歩きである。途中で止まって写真を撮ると、後続する登山者が詰まってくるので気にしていると、後続のリーダーが”みんなも同じような場所で写真を撮るのでゆっくりどうぞ!”とのことで安心した。

 

 
13:38三差路まで戻ってきた。 久しぶりに時間が経つのを忘れたかのような登山であった。そこからは登りに気が付かなかった場所にぽつりぽつりと花が咲いている。14:17杉林の中を抜けてようやく登山口に戻ってきた。無事をまぶしい日差しが出迎えてくれた。

※ 久しぶりの仰烏帽子山は第2登山口からの登りなので急斜もなく、ハイキング的な登山となった。天気に恵まれたことで、「福寿草の群生」が生き生きとして目を見張る光景であった。岩宇土とは比較にならない群生で五木村の宝として守られていることが容易に想像できた。
機会があれば、また来ることになろう!!

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