• 2018.8.8
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「山の会」たより59

平成30年07月22日~25日 山梨県 北岳(3193m)

<7月22日>
○ いよいよ北岳登山の出発である。山の会メンバー8名は06:10博多発の「のぞみ2号」に乗り込んだ。名古屋までの間、風景を楽しんだり、食事をしながら「北岳」への期待を寄せていた。名古屋から中央本線10:00発長野行き「しなの7号」に乗る予定であったが、人身事故のため、約1時間程度遅延となり、その後の接続も遅れた。途中、茅野、上諏訪などを通過し、左手に八ヶ岳連峰が見えている。硫黄岳、横岳、赤岳の記憶が蘇ってくる。結局予定より2時間遅れで甲府駅に到着した。

 

○ 武田信玄像の前で、待たせておいたジャンボタクシーに乗り込んだ。南アルプスラインは18:00に通行ができなくなるため、ギリギリセーフということであった。芦安からは眼下に深い谷そしてくねくねと曲がった道を進んだ。
○ 16:50 広河原インフォメーションセンターに到着、時間にして1時間30分であった。すぐに広河原山荘に向かった。吊り橋の手前で遠くに「北岳」が雄姿を見せている。気持ちが高ぶってくる。揺れる吊り橋を渡るとそこに「広河原山荘」があった。

 

 
○ 17:01山荘に着きと、早速荷解きをして、夕食まで焼酎を飲みながら過ごした。夕食の時通行できなかった大樺沢コースが明日から通行できると説明があった。食後も再び外のベンチに出て、沢の流れを聞きながらの懇談で一日目を終えた。いよいよ明日「北岳」挑戦である。

 

<7月23日>
○ 05:02 まだ薄暗いなか「北岳」登山の出発である。うっそうとした木立の中を少しづつ登っていく。ひんやりとした空気が気持ちよい。05:33 白根御池分岐に着いた。大樺沢コースがOKなので予定を変更して、大樺沢から「二俣」に進み、「小太郎尾根分岐」から山頂に行くことにした。

 
○ しばらく心地の良い川の流れを聞きながら登っていく。途中、前方に梯子があるが、手前右にも登山道があり、右に進んだ。だんだん急な斜面になっていく。ところが目の前に「白根御池小屋」の道標が・・・・”あれ!!間違えた”さっきの梯子の方に進めばよかったのだ。ここまで来たら戻れない。上りはこのコースを使い、下りに大樺沢コースを通ることにした。思ったより風がなく、蒸し暑く感じる。何度となく休憩が必要となるが、急斜面ばかりで思うように場所が取れない。

 

○ 08:20 やっとの思いで「白根御池小屋」に着いた。広川山荘から登り続けて3時間18分を要したことになる。白根御池小屋にはかなりの人が休憩をとっている。小屋そのものはあまり大きくはない。周りが少し広くなっていて、唯一の平坦地である。「北岳」がかなり大きく見えている。
白根御池そのものは思ったより小さく、水も濁っている。池の横を過ぎると通称「草すべり」の急斜となった。このあたりから高山植物が山道の斜面に咲いている。

 

 

○ 「草すべり」は尾根までほぼ直登の急斜面でその名がついたのであろう。背中に太陽の強烈な日差しが、まともに降り注ぐ。遮る木立もなく、暑さと心臓破りの斜面で”とにかくきつい”

 みんなのペースが落ちてきた。腹が減って”しゃりバテ”気味である。メンバーの声が出なくなった。少しだけ日差しが遮られ、広くなった場所での昼食となった。そして再び急斜を登っていく。昼食を摂ったからか、思いのほか元気になっているのが感じられる。まだまだ「草すべりが」続く。

 

○ しばらく登ると、帰路に使う「二俣分岐」への道標が立っている。その下で食事している人に二俣からの登りはどうだったか聞くと”きつかった”の一言である。結局どちらも”きつい”ということであろう。振り返ると、よくぞ登ってきたという感じになる。予定より遅れ気味でなので、あまり休まず「小太郎屋根分岐」を目指した。

○ 11:50 やっとの思いで「小太郎尾根分岐」に着いた。白根御池小屋から3時間30分を要した。一気に眺望が開けた。気持ち良い風が吹く。鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、そして富士山と・・・。そして正面にはどっしりと「北岳」が座っている。ここまでくると本当に”なんにも言えねぇ”的な喜びである。

 

 
○ 尾根道といえど決して平坦でなく、やはり上りが続いていく。いくつかの岩場を越えながら、12:50北岳「肩の小屋3000m」に到着した。ここで休憩して、山頂を目指した。途中、何度も岩場をクリアしながら進んだ。山頂が見えはじめ、20人ほどいるのがわかる。

 
13:51「北岳」山頂に到着。遮るものがない360度の光景である。少しの逆光も構わず写真を撮った。明日クリアする予定の「間ノ岳」へ続く日本一高い3,000mの縦走路がはっきりと見えている。

 
○ 14:21 宿泊予定の「北岳山荘」に向かった。下りとなって気持ち的に余裕が出てきた。高山植物にも目が行き届くようになり、いろんな花を撮った。その中でも固有種「キタダケソウ」を撮ることができた。すぐ下に見えていた「北岳山荘」なかなか着かない。岩場を登ったり、下ったり気が抜けない。最後の岩場を気持ちでクリアして、15:49やっと、やっと、息も絶え絶えに「北岳山荘」に到着した。

 

 

○ 早速、ビールでの乾杯である。”うまい”生き返った!!手続きを終え、約60人ぐらいの大部屋に入った。明日の準備を終えたところで、外のベンチで焼酎を飲みながら、懇談、風が気持ちよい。夕暮れが「北岳」を包んでいる。17:15夕食となった。我々は2番手で20人ぐらいで食事して、すぐさまの就寝となった。

 

 

<7月24日>
○ 04:00頃から周りで荷造りの音がし始めた。我々も静かに荷物を整え始めた。夜中は窓が閉められていたので、あまり寒さは感じなかったが、窓を開けると結構寒い。
うっすらと明るくなってきた。日の出を見ようと外に”寒い”慌ててウインドブレーカーを羽織る。富士山がぼんやりと見えてきた。04:49 日の出である。「北岳」の右から徐々に顔を出し始めた。富士山にも光が当たっている。神秘的な時間である。

 
○ 朝食を終え、05:40山荘を後に「北岳」に向かった。(※今回の計画では2日目は3,000m縦走路を歩き、「間ノ岳」まで行って、再び北岳経由で広河原に戻ることになっていたが、前日の話で”メンバーの脚力では間ノ岳までの縦走は”無理”となっていた。)
今日は、北岳まで一旦登って、あとは下りと思うとかなり気分が楽である。最初は花を撮りながら余裕があったが、やはり山荘から山頂までの標高差300m弱はかなりきいつい。

 
○ 07:28再度北岳山頂に着いた。同じ山荘に宿泊していた親子(夫婦+小学生姉妹)も登っていた。朝日を浴びた山頂で写真を撮って下山となった。何度も急な岩場を慎重に下りながら、08:19「肩ノ小屋(3,000m)」に到着、休憩の後下り始めた。途中、ワンダーホーゲル部の女子高生とすれ違った。元気がいい!

 
○ 08:58小太郎尾根分岐、南アルプスの壮大な山々との別れである。急斜面を下っていくことになった。そして、09:13二股・白根御池小屋分岐に着いた。ここから大樺沢コースに向かって下っていくことになる。
かなりの傾斜で下るため神経が疲れる。時折り登って来る人に会う、きつそうである。草すべりとどちらがきついのか思いながら下って行った。

 

○ 雪渓が見えてきた。もうすぐと思いながら、どんどん下っていくがなかなか着かない。いつ着くのか、とにかく長い!10:36 ようやく二股分岐に到着した。沢は深く雪渓がえぐられている。早速昼食となった。北岳山荘の弁当はちらし寿司っぽい、昨日の弁当より評判が良かった。

 
○ 11:15 広河原までの道のりを急いだ。先の大雨で流されていた橋も復旧している。何度か修復された橋を渡りながら沢沿いの道を進んだ。途中、水場があり一休み、水が冷たく気持ちがいい。先に休憩していた2人組はビールを冷やしている。
○ 往路で道を間違えた梯子のポイントがあった。もう少しで広河原である。白根御池小屋との道標を過ぎ、13:39広河原山荘の到着した。当初計画より2時間早く着いたが、間ノ岳まで縦走していたら、とんでもないことになっていたなとつくづく思った。

 

 
○ タクシー到着まで時間があるため、そのまま広河原インフォメーションセンター2Fでビールを飲みながらの休憩、談笑。無事下山できたことに感謝である。15:30 ようやくタクシーが迎えに来た。再び狭い山間の道路を一路甲府市内に向かった。17:05宿泊先に到着、運転手から薦められた郷土料理のチエーン店に予約してチェックインとなった。
郷土料理店では甲府のおすすめ料理を堪能、北岳の話題で盛り上がった。最後にはこれ以上食べきれないほどの「ほうとう」三昧で締めくくった。ホテルに戻り、今日もすんなり就寝

 

<7月25日>
○ 帰福の日となった。朝食後、08:00迎えのタクシーに乗り、甲府で有名な昇仙峡観光である。渓谷に流れる荒川と花崗岩の浸食でできた数々の奇岩が山肌に林立している。また仙娥滝などを見ながら最上部にあるロープウェイ乗り場に着いた。あまり時間はなかったが、思い出にとロープウェイで山頂に行った。あいにくガスがかかって、山並みの眺望は望めなかった。乗り場の横にある山梨ワイン王国では親切に説明していただきながら5種類のワインを試飲した。

 

 
○その後、甲府市内に戻り、武田神社を訪れた。さすがの信玄さんで、甲府駅から桜並木で直線の道路で結ばれている。お詣りを済ませ、10:45甲府駅に到着した。
駅でお土産や弁当を購入して、11:29発「あずさ11号」を待っていたら、またしても人身事故で遅れのアナウンス”またかよ”とにかく中央本線は普通には終わらない。
○ 結局15分ぐらいの遅れで到着したが、乗り換えがうまくいくのか不安であった。しかし車掌に尋ねると”塩尻に臨時停車するので、塩尻で乗り換えるように”と教えられて、どうにかひと安心。塩尻で「しなの12号」、そして名古屋で新幹線に乗り換えて18:33博多駅に着いて、今年の遠征登山が終わりとなった。

 

※ 稀にみる4日間連続で天候に恵まれた登山となった。日本で第2番の高さを誇る「北岳」は憧れの山で山頂に立つことができ、最高の気分にひたった。
北岳はすべてが3時間単位として区切られ、予定を超えての長時間登山で、これまでの登山で最も過酷であったように思う。
毎回中央本線は何らかのトラブルがある。山での災難がないように、中央本線で災いを受け止めてくれていると思えば、それも良しとしたい。
※ 後日談であるが、1週間日程が遅れれば台風で登れなかったと思うと本当にラッキーな―登山であった。

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