• 2023.4.29
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「山の会たより」103

2023年4月20日(木)福岡県 井原山(982m)

○ 井原山登山コースの最後となった「洗い谷」コースに挑むことになった。「洗い谷」は上級者コースと言われ、滑落事故から登山禁止となって物議を醸しだしたコースである。
西大刀洗駅に06:30に集合、九州道から福岡都市高速、西九州道から今宿から瑞梅寺ダムを経て07:37「キトク橋駐車場」に着いた。
○ 今日は6月並みの気温となる予想で雨の心配は皆無である。早速登山準備を終え、少し戻って民家の間を抜けて進んで行く。藤の花が満開である。この時期はいろんな花が咲いて気持ち和ませてくれる。

 

 

○右側に沢が流れている。この沢を登り上るのが洗い谷コースであるが、今日は少し水量が多いようである。林道をしばらく歩くと砂防堤があった。ここから登り始めようとしたら、ロープで締め切られていたので、右側に進んでいくと雷山方面の看板、何か違う・・・そのため舗装された林道を沢の音を確認しながら少し下ったら、橋の横が登山口であるが、「危険」「ここは登山ルートではありません。」と書いた看板が立っている。

 
○ 08:18 いよいよ「洗い谷コース」を進んで行く。あまり通っていないのか藪状態である。沢沿いは倒木等で歩きにくい。結構深い淵の横を歩くといつもより慎重になるが、ロープが張られているので、どうにか進んで行ける。コールポイントが掲示されているが、必ず注意書きが添えてある。

 
○ 沢の流れの石を踏み、何度も何度も渡渉しながら登って行く。進むたびに沢幅が狭くなって、その分流れが速く感じる。ここはロープなしには登れない。雨後は特に危険が増すのが分かる。

 
○ いきなり、沢の大岩に遮られる。すると迂回するようにロープがあるものの、20mぐらいの一気登りとなっている。足場もコケで滑りやすく、簡単にはいかない。登りきると、また沢の岩を踏みながら進んで行く。

 
 10:26 「二段滝」(と思われる)に着いた。この辺りは小さい滝の連続でその度にロープで急斜面を迂回する必要がある。そろそろ尾根道に近いのか日が差して、周りの若葉が非常にきれいだ。
しかし、ゆっくりする余裕もなく淵の上をロープにつかまりながら進む。危険極まりない。通行禁止になる理由もわかる。

 

 
○ 前方にピンクの花「ミツバツツジ」が咲いて、疲れを一瞬癒してくれる。それでもロープの登りが続いている。表現しにくいが、ずーっと気になる音がしている。おそらく「蛙」の鳴き声と思うが姿は見えずにいた。しかし、運よく葉っぱに擬態した小さな「蛙」がいた。実に見事な擬態である。苔むした岩が奇麗である。

 

 

○ 10:39 コース最後の「水場」に着いた。小さなパイプから冷たい水が流れてくる。沢の流れも少なくなって、ゴツゴツとした岩から表面を滑るように流れる「なめ床」に変わった。滑らないように進むと、ほとんど流れがなくなって源流のようである。ほとんど尾根道に近くなって来たように感じる。分岐を左に進み、長いロープにつかまりながら一気登りである。

 
○ 登りきるといきなり「クマザサ」に覆われ、今迄の沢登とは全く異なった山道となった。少し歩くとようやく尾根道との合流である。ようやく気持ち的にも緊張がほぐれた感じがする。
11:24 「縦走路合流点」は以前雷山に向かう時の尾根道から確認した「洗い谷」とのイメージが違っていた。また、何枚もの「危険」と書いた看板が立っていた。周囲には多くのミツバツツジが咲き始めていた。
しかしながらこの時点ですでに予定よりも1時間ほどオーバーしている。やはり単独と違い、ロープごとに先を待って登って行くので、どうしても時間がかかる。特にこのコースは思った以上のロープ場が多かった。

 

○ 前方に見える井原山に向かって尾根道を進むが、最初下りとなっていて登り返しを考えると萎える。鞍部から登りになると急にスピードが落ちてくる。思った以上に疲労がたまっている。ようやく、登り切ったがそこは井原山山頂ではなかった。さらに先に見えているのが井原山山頂みたいである。
また下りから始まった。周りにはミツバツツジが増えてきたことで、少しは慰みにはなる。トップがバテ気味、後ろからの登山者に道を譲る。

 
 11:50 「アンノ滝、キトク橋への分岐」に着いた。帰路はここから分岐して下山する予定である。もう少しで山頂と気合を入れる。
11:56 「井原山山頂」に到着した。結局予定時間より1時間の遅れは変わっていなかった。2,3組の登山者が昼食をとっており、我々も早速昼食となった。山頂は遮るものもなく見晴らしは抜群なのだが、残念ながら黄砂で遠くが見えない。

 
○ 12:35 下山開始となった。12:43キトク橋への分岐から右に折れた。下山は基本下りばかりなので気が楽になるものの、疲れから足が上がらないので、注意しながらの進む。
途中までは緩やかであったが、岩場が現れてからはかなりの斜面となった。その後もきつめの斜面をどんどん下りて、13:17 水無登山口への分岐点を過ぎてしばらくすると「幽霊茸」と呼ばれる「ギンリョウソウ」が登山道のすぐそばにあった。古処山紅葉谷の途中で見て以来である。

 

 
○ 14:03「アンノ滝」に着いた。メンバー曰く”水無登山口分岐からのコースはこのアンノ滝の上を通っている”とのことである。滝つぼまでは行かずにそのまま下った。
14:48 キトク橋駐車場に戻って、無事今日の登山を終えた。

 

井原山でも洗い谷コースは上級者向けで、多くの事故があって一時期通行禁止措置まで取られたコースを登った。何度となく繰り返す沢の渡渉、流れの中の歩行、連続するロープ場など、これまで経験したことのない登山で、雨後は絶対に登れない危険なコースであると実感した。更に複数での登山はロープ場等で思った以上の時間を要したが、登山としては面白いコースであった。
 今回は「ミツバツツジ」の満開に1週間ほど早かったようであるが、それでも十分楽しめた登山となった。

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